30代LSE私費留学日記 & たまにマーケットコメント

東大→金融機関リサーチ職10年超→30代LSE私費留学

GPAは重要か?

結論から申し上げますと、「職務経験が長ければ長いほど、GPAの重要性は低下し、一方で志望動機書の重要性は増す」と私は想像しています。もちろん、十分なサンプル数を伴った統計を取ったわけではありませんので仮定に過ぎません。しかし、私自身の経験やLSEの友人の話を聞く限り、そんな印象を持ちます。

 

私の専攻であるMSc Political Economy of Europeはアプライに以下の書類が必要です(注1)。

・成績証明書(GPA)

・志望動機書

・推薦書(2通)

・履歴書

・英語力の証明書(IELTSの成績表等)

注1:専攻によって必要書類はやや異なります。また、必要書類は変わる可能性もありますのでご注意ください。

 

このうち社会人として如何ともし難いのが、成績証明書です。大学をすでに卒業してしまっていますので、改善のしようがありません。このブログの一番初めの記事でも書きましたが、私の学部時代のGPAはLSEの入学最低基準を大幅に下回っていますLSEはイギリス式でA first or upper second class honours (2:1)、GPAとしては通常4 点中3.5 以上を最低ラインとして要求しています(注2)。東大はGPAを発表していないため、自分で成績を計算する必要があります。「優=4.0、良=3.0、可=2.0、不可=0」で計算してみたら3.1でした。何かの間違いかと思い、留学エージェントのbeoが正式なやり方でGPAを計算してくれるサービスがありましたので、そこで計算してもらいましたが、やはり3.1でした。学部時代に学業で特別に努力していたわけでもないですが、さぼっていたわけでもなかったため、この数字には正直がっかりしました。特に前期課程の成績に関しては、私は文Ⅲから経済学部に進学したため、総合スコアとしては80点以上(総合して優)はあったはずですが、それでも3.2程度でした。おそらく「優」に近い「良」(78とか79とか)、もしくは満点(100)近くの「優」が多かった(あるいはその両方)のではないかと思います。大学の事務局にグレードだけでなくスコアも出してほしいとお願いしましたが、断られてしまいました。仕方がないのでそのままアプライするしかありません。それでも不安だったので、GPAはあえて記入せずに「東大はGPAを計算していないので成績表をそのままみてくれ」と書いてアプライした記憶があります。

注2:Entry Requirements

 

ただ、それでも合格できました。理由としては、おそらく成績よりも志望動機書(とその背景にある職歴)の方を評価されたのかと思います。職歴が長い程、この傾向が強い気がします。実際に私の周りでは学部から直接LSE修士に入学した学生は学部時代の成績が良く、首席かそれに近い成績で卒業した人も何人かいました。一方で、例えば、私とほぼ同い年ということもあってLSEで仲良くなった、韓国3大テレビ局のひとつでTVプロデューサーをしていた韓国人の友人も、私と同様、学部時代の成績は良くなかったです。彼の職歴と志望動機が彼が希望したコース(メディア&コミュニケーション)の内容とぴったりであったことが評価されたのだと思います。私自身の経験を振り返っても、私の社会人としての経験と興味がMSc Political Economy of Europeというコースの内容とドンピシャでした。ですので、志望動機書は無理なくすらすらと書くことができました。むしろ書くのに苦労したのは、併願校で(欧州分野に限定されてませんでしたが)Political Economy系があったKing's collegeとWarwick Universityは合格しましたが、それがなかったCambridgeとUCLはしっかり落ちました。前者の方が私の職歴と興味にマッチしていたのは明らかでした。CambridgeとUCLは、(Economics系と悩んで)Public Policy系のコースにアプライしましたが、やはり志望動機に無理があった感は否めません。以上を踏まえると、成績が全く関係ないとまで言えないまでも、特に職歴が長い社会人の方が成績を理由に留学を諦めてしまうのはもったいないなと思います

 

江戸っ子UK