30代LSE私費留学日記 & たまにマーケットコメント

東大→金融機関リサーチ職10年超→30代LSE私費留学

私のIELTS対策

私が留学前に最も苦労したのは英語力の向上です。特に(おそらく多くの他の日本人と同様)スピーキングとライティングのスコアメイクには苦労しました。以下、私の英語学習遍歴です(毎度ですが、あくまで個人の経験ですのでご参考までに)。

 

まず、前提として、LSEのマスターコースは多くの場合、IELTSでOverall:7.0、Reading:7.0、Listening:6.5、Writing:6.5、Speaking:6.5、が最低基準となっています。ただ、Lawなどのコースはより高い英語力が求められます。また、今後、この基準は変わる可能性もあるため、アプライの際はご自身で志望のコースの基準を念の為、ご確認ください(IELTS以外にもTOEFLなど他に有効な英語試験はありますが、ここではIELTS向け対策の話をしたいと思います)。

 

IELTS対策前の状態

私は所謂純ジャパで、中学生の頃に2週間くらいニュージーランドにホームステイを経験した以外はほぼ海外経験というものがありませんでした。大学受験の際は頑張って勉強した。そのため、英語の文法には自信がありました。また、リーディングは仕事で英語の資料を読み込んだりしていたため、苦ではありませんでした。しかし、リスニングについては、聞けるもの(形式が決まっているやつや慣れたアクセントのもの)と聞けないもの(速いフリートークや慣れないアクセントのもの)があるといった感じでイマイチ。スピーキングは全然ダメで、ライティングもアカデミックなものは書いたことがないといった状態でした

 

私のIELTS対策遍歴

そんな中、とりあえず受けてみようとあまり対策しないまま臨んだ一回目のIELTSの結果は、Overall:5.5とLSEの最低基準に遠く及ばず。特にスピーキングは4.5と大きく下回りました。これではやばいと思い、そこから本腰を入れて勉強を始めました。仕事をしながらの学習はまとまった時間を確保するのが難しかったですが、30分でも良いので極力毎日学習するようにしました。ライティングとスピーキングは自己学習が難しいと感じたので、スクールを活用しました。具体的には市ヶ谷にあるバークレーハウスというスクールに通いました(コロナ禍ではオンライン)。決して安くないですが、担当の講師の方が米国の大学でPhDをやられている方で、とにかく授業の質が良かったです。また、IELTS対策だけでなく、志望動機書等のアドバイスももらえて大変助かりました。当初は、イングリッシュビレッジというリーズナブルな英会話スクールも併用している時期もありましたが、途中からバークレーハウス一本に絞り、回数も増やしてお金をかけてでも時間を効率的に使う手法に切り替えました。社会人の方々はとにかく学習時間の確保が難しいと思いますので、(出費は痛いですが)お金をかけてでも質を上げて時間を買う戦略が良いのではないでしょうか。私はバークレーハウスを選びましたが、色々なスクールの体験授業を受けて比較検討するのが良いかと思います。以下、科目別の詳細です。

 

・リーディング

単語帳(昔買った「TOEFL®︎テスト英単語3800」)に目を通しつつ、ひたすら過去問をやりました。平時にまとまった時間がとれませんでしたので、主に週末にやりました。間違えたところは、なぜ間違えたのか、どうしたら正解を導き出せたのかを考えつつ、復習しました。また、知らない単語は書き留めて、のちに復習できるようにしました。元々リーディングは得意でもあったので、比較的早期に7.0以上を取れるようになりました。また、学習し始めて1年弱くらいで8.5を取得できましたので、そこからリーディングの学習はペースを緩め、他の学習、特にスピーキングとライティングに時間をより割くようにしました。

 

・リスニング

過去問を一通りやったあとに、それを教材として、シャドーイングとディクテーションをやりました。また、通勤中に(行きは仕事の関係上、オーバーナイトのマーケット状況をアップデートする必要があったため帰りの電車の中で) BBCの「6 Minute English」やTEDを聞いたりしていました。復習のポイントとしては、聞けなかった箇所を自分で自然に言えるようになるまで音読するようにしました。スコアに関しては、比較的、早期にコンスタントに6.5以上を取れるようになりました。ただ、スピーキングとライティングはコンスタントに7.0以上を取るのは難しいと感じたため、リスニングで7.0以上を安定的に取得できるようになることを目指し、学習を続けました。それでもなかなか安定的にというわけにいきませんでしたが、6.5から8.0の間をうろうろする感じにはなりました。

 

・ライティング

スコアに直結!IELTS徹底対策テキスト&問題集」で‘型‘を覚えつつ、過去問やネットに転がっているサンプル問題をやって、スクールの講師に添削してもらう作業をひたすら続けました。平日は時間の確保が難しかったため、主に週末にやりました。講師の方からのフィードバックが非常に良く、比較的早期に安定的に6.5を取れるようになりました。ただ、そこから伸び悩みました。それどころか、学習を始めて1年を過ぎた頃に欲を出して7.0以上を目指した結果、大スランプに陥りました。こなれた表現を入れようとして、フォームを崩し、試験で時間切れになったりして、逆にスコアが5.5にまで低下したりしました。私の場合、ライティングはとにかく時間との闘いでした。そこからなんとか持ち直して、6.5をほぼ安定的にとれるようになりましたが、結局7.0以上は取れませんでした。

 

・スピーキング

ライティングと同じく、「スコアに直結!IELTS徹底対策テキスト&問題集」で‘型‘を覚えつつ、過去問やネットに転がっているサンプル問題を題材にスクールの講師にフィードバックをもらいました。自分でも気づかないクセや間違いを発見することができ、非常に良かったです。また、スピーキングの学習は比較的まとまった時間がなくてもできますので、平日は妻にランダムに問題を出してもらって面と向かってしゃべる練習をしました(妻よ、ありがとう!)。スコアは徐々に上がっていきましたが、それでも私にとって安定的に6.5を取得するのは難しかったです。最高点は7.0まで上がりましたが、6.5を下回ることもしばしばありました。結果、最後までスピーキングは足を引っ張り続けました。

 

まとめ

そんなこんなで結局、LSEの最低基準をクリアするまでに2年弱もかかってしまいました(なお、最終的なスコアは、Overall:7.5、Reading:9.0、Listening:7.5、Writing:6.5、Speaking:6.5、でした)。ボトルネックとなったのスピーキングでした。ライティングにも苦労しました。これら二つの科目は、おそらく私と同じ純ジャパの方々にとっては大きなハードルになる気がしています。社会人の方々は時間を効率的に使うためにスクールも活用しつつ、特にスピーキングとライティングに関しては早めの対策をおススメします

 

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GPAは重要か?

結論から申し上げますと、「職務経験が長ければ長いほど、GPAの重要性は低下し、一方で志望動機書の重要性は増す」と私は想像しています。もちろん、十分なサンプル数を伴った統計を取ったわけではありませんので仮定に過ぎません。しかし、私自身の経験やLSEの友人の話を聞く限り、そんな印象を持ちます。

 

私の専攻であるMSc Political Economy of Europeはアプライに以下の書類が必要です(注1)。

・成績証明書(GPA)

・志望動機書

・推薦書(2通)

・履歴書

・英語力の証明書(IELTSの成績表等)

注1:専攻によって必要書類はやや異なります。また、必要書類は変わる可能性もありますのでご注意ください。

 

このうち社会人として如何ともし難いのが、成績証明書です。大学をすでに卒業してしまっていますので、改善のしようがありません。このブログの一番初めの記事でも書きましたが、私の学部時代のGPAはLSEの入学最低基準を大幅に下回っていますLSEはイギリス式でA first or upper second class honours (2:1)、GPAとしては通常4 点中3.5 以上を最低ラインとして要求しています(注2)。東大はGPAを発表していないため、自分で成績を計算する必要があります。「優=4.0、良=3.0、可=2.0、不可=0」で計算してみたら3.1でした。何かの間違いかと思い、留学エージェントのbeoが正式なやり方でGPAを計算してくれるサービスがありましたので、そこで計算してもらいましたが、やはり3.1でした。学部時代に学業で特別に努力していたわけでもないですが、さぼっていたわけでもなかったため、この数字には正直がっかりしました。特に前期課程の成績に関しては、私は文Ⅲから経済学部に進学したため、総合スコアとしては80点以上(総合して優)はあったはずですが、それでも3.2程度でした。おそらく「優」に近い「良」(78とか79とか)、もしくは満点(100)近くの「優」が多かった(あるいはその両方)のではないかと思います。大学の事務局にグレードだけでなくスコアも出してほしいとお願いしましたが、断られてしまいました。仕方がないのでそのままアプライするしかありません。それでも不安だったので、GPAはあえて記入せずに「東大はGPAを計算していないので成績表をそのままみてくれ」と書いてアプライした記憶があります。

注2:Entry Requirements

 

ただ、それでも合格できました。理由としては、おそらく成績よりも志望動機書(とその背景にある職歴)の方を評価されたのかと思います。職歴が長い程、この傾向が強い気がします。実際に私の周りでは学部から直接LSE修士に入学した学生は学部時代の成績が良く、首席かそれに近い成績で卒業した人も何人かいました。一方で、例えば、私とほぼ同い年ということもあってLSEで仲良くなった、韓国3大テレビ局のひとつでTVプロデューサーをしていた韓国人の友人も、私と同様、学部時代の成績は良くなかったです。彼の職歴と志望動機が彼が希望したコース(メディア&コミュニケーション)の内容とぴったりであったことが評価されたのだと思います。私自身の経験を振り返っても、私の社会人としての経験と興味がMSc Political Economy of Europeというコースの内容とドンピシャでした。ですので、志望動機書は無理なくすらすらと書くことができました。むしろ書くのに苦労したのは、併願校で(欧州分野に限定されてませんでしたが)Political Economy系があったKing's collegeとWarwick Universityは合格しましたが、それがなかったCambridgeとUCLはしっかり落ちました。前者の方が私の職歴と興味にマッチしていたのは明らかでした。CambridgeとUCLは、(Economics系と悩んで)Public Policy系のコースにアプライしましたが、やはり志望動機に無理があった感は否めません。以上を踏まえると、成績が全く関係ないとまで言えないまでも、特に職歴が長い社会人の方が成績を理由に留学を諦めてしまうのはもったいないなと思います

 

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イギリスで日本より安いもの

昨日のブログでは、イギリスのインフレ事情について書きました。日本より高いインフレ率に加え、昨今の円安により、ロンドンではすべてのモノ・サービスが高く感じます。ただ、今日はあえてイギリスで日本より安いものについて語りたいと思います。

 

物価がとりわけ高いロンドンでも、安くて良いものはあります。ここまで円安が進んでくると(本記事執筆時点で約185円/ポンド)、日本と比べて安いものをみつけるのはなかなか難しいですが、品質に割りに(物価統計的に言えば品質調整をすれば)リーズナブルなものはあります。私がロンドンで高いなと感じるものの代表例は家賃と外食です。感覚的に東京の3倍はします。一方で、スーパーでの食材は(付加価値税が免除されるということもあり)安いです。外食は高い上においしくない(英国滞在歴の長い方に聞くとこれでもマシになったそうですが)ことが多いですが、スーパーの食材は日本より品質の良いものが多くあります。以下、代表的なものを挙げていきます(個人的な感想ですのであくまでご参考までに)。

 

・野菜/イモ類/果物

野菜は、値段はモノによりますが、品質は総じて日本より良い気がします。感動したのは、セロリとマッシュルームです。セロリは苦手で食べれませんでしたが、イギリスにきて食べられるようになりました。マッシュルームは安くて日本より香りが格段に良いです。ジャガイモも、日本よりも安くて味が濃くておいしいです。果物にも驚きました。イチゴは20個くらい入ったパックで2~3ポンドで買えます。味も良いです。その他、ぶどう(Cotton Candyという種類がお気に入り)、マンゴー、洋ナシ、等々、日本よりかなり安くて味も良いです。りんごとメロンは日本ほど甘くないですが、それはそれでさっぱりしていておいしいです。なにより値段が安いです。

 

・肉/乳製品

チーズや生クリーム等の乳製品は日本よりも圧倒的に安くて品質も高いです。種類も豊富です。チーズは日本では専門店レベルのものが普通にスーパーで買えます。お肉はものによりますが、総じて価格、値段ともに日本より良い気がします。先程、良いめのスーパーで確認したら、サーロインステーキ227グラムが5.25ポンドでした。赤身のお肉は日本で買うよりも柔らかくておいしい気がします。お肉屋さんで塊りで買うとさらにリーズナブルになります。鶏肉は日本と同じかちょっと高い気がします。なぜかもも肉よりも胸肉の方が高いです。ただ、丸鶏は安く、昨年のクリスマスの時期には一匹5ポンドで買えました。他方、魚介類は高く、種類も少なく、日本と比べても新鮮さに欠ける気がします(日本と同じ島国なのに。。。)。

 

・パン/焼き菓子系

当たり前と言えば当たり前かもしれませんが、パンは美味しいです。ウェイトローズのガーリックトーストバケット2本で2ポンド弱)がお気に入りです。また、スコーンを含め、焼き菓子系がとにかくおいしいです。日本では、イギリス系焼き菓子としては幡ヶ谷にあるサンデーベイクショップが好きでよく行っていましたが、そのレベルの焼き菓子がスーパーでも(大学の売店でも)買うことができます。値段は日本に比べてやや安いといったところでしょうか。

 

スーパーの食材以外でいうと、セーターやアウター類が安くて質も良い気がします。ネクタイもシルクなのに安く、当面使わないのに買ってしまいました。あとは、美術館/博物館が無料で入れます。大英博物館やナショナルギャラリー等、世界的にみても名高い美術館/博物館に無料で入れるのは有難いです。何か他にも思いつけば、こちらの記事に追加していこうと思います。

 

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インフレマインドに目覚めた日+欧州における期待インフレ

私が物心ついたときには日本はすでにデフレでした。物価や賃金が継続的に上昇していくことは想像し難い世界で育ちました。それが一転、渡英して強烈なインフレの世界に晒されることになりました。初めに気が付いたのは、カフェでコーヒーの値段が段々と上がっていくことでした。日本であったなら「価格改定しました」というような貼り紙が「(価格を上げて)申し訳ございません」との謝罪文句とともに掲示されそうなものですが、ここではすべてのモノ・サービスの価格がなんのお知らせもなくしれっと上がっていきます。そのことに、デフレマインドが染みついた私は驚きました。

 

そこから、継続的に価格を調査してみようと考えました。対象としたのは、私が大好きで継続的に購入しているビール。330ml缶×6本セットの一番安いもので、渡英当初(2022年8月頃)は5ポンド台でいつでも買えました。それが6ポンド、7ポンドと値段が上がっていき、セールのときでないと5ポンド台では買えなくなっていきました。今ではセールであっても近所のスーパーでは5ポンド台では買えなくなりました。当初は一番安かったモレッティの6本セットが9ポンドで売られているのをみたときは、目ん玉が飛び出ました。

 

そんな中で、「価格が上がる前に多めに買っておこう」と自分が考えているのに気が付き、ハッとしました。これが期待インフレの効果かと。継続的な高インフレを経験したことで、今後もそれが継続していくだろうとの予想(期待インフレの上昇)が醸成され、それが買い急ぎや賃上げ要求につながって、さらにインフレを加速させてしまう。こうした自己実現的なインフレスパイラルのメカニズムが生じ得ることは経済の研究の中ではよく知られていることですが、私はまさに「買い急ぐ」ことでこのメカニズムの力を後押ししていたのです。賃上げ要求については私は学生ですので当事者ではないですが、ロンドンのあちこちで賃上げストが起きていたことに鑑みると、少なからずその影響はあったのではないでしょうか(※)。

※なお、LSEでもストがありました。教員の方々が賃上げストに参加した結果、授業の6割がなくなったと嘆いている友人もいました(私はひとつの授業がオンラインになっただけで済みましたが)。

 

私が大学を卒業して仕事を始めたときに当時の部長からこうしたインフレスパイラルのメカニズムについて説明を受けたのを思い出しました。そのとき、デフレマインドが染みついていた私はあまりピンときていませんでした。それから10年以上が経過し、今実感をもってインフレの世界を理解できたと感じています。

 

ここまでだらだらと書いてしまって少し反省していますが、最後にマーケット関係者向けに実用的な話をひとつ。上記の通り、特に現下の高インフレの中では、期待インフレの役割が今後の物価動向、ひいては金融政策の行方を占う上で重要といえます。では、どういったデータをみていけば良いのでしょうか?欧州(ユーロ圏)の場合、それは主に以下の指標です。それぞれ対象となる主体と期間が異なるため、その点は注意してみる必要があります。例えば、マーケットベースの指標は速報性に優れますが、あくまで「市場」の期待であって、実体経済における「家計」や「企業」のそれと必ずしも一致するとは限りません。また、期間に関して言えば、一般にフィリップスカーブの形状を規定するのは長期の期待インフレであるため、長い期間の期待インフレの方をより重視する必要があります。

欧州委員会サーベイ:毎月月末頃に公表。企業と家計の期待インフレの動向を把握できます。企業は産業別の内訳も確認可能です。ただし、企業は先行き3ヵ月、家計は先行き12ヵ月と期間は短めであるため、長期的な予想というよりも、足元の物価動向に左右されがち。企業は足元の商品市況に左右されにくい業種に絞ってみるべきかもしれない。データ元:Business and consumer surveys

・ECBプロフェッショナルフォーキャスト:四半期に1度の公表。対象は経済専門家。期間は1年先、2年先、5年先があります。データ元:Survey of Professional Forecasters

ドイツ10年BEI:マーケットベースの長期期待インフレ。ただし、ドイツ限定。Bloombergのティッカーは忘れてしまいましたが、「Germany 10 Break Even」とかで検索すれば出てくると思います。データ元:Bloomberg

5年先5年インフレスワップレート:同じくマーケットベースの長期期待インフレ。ECBが(昔は特に今でもたまに)レポートで使っています。データ元:Bloomberg

ECB Consumer Expectations Survey:月1公表。家計の1年先、3年先の期待インフレが確認できます。ただし、2020年4月分から公表された比較的新しい統計であるため、それ以前の過去データと比較することができないのが難点。データ元:Consumer Expectations Survey

 

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なぜLSEか?

私がLSEを選んだ理由は主に以下の3つです。

 

①米国と比べて学費が安い

これは、LSEというより英国の大学院を選んだ理由になりますが、特に私費での留学の場合、学費は切実な問題です。英国のマスターコースは、1年当たりの学費が米国よりも安い上に、1年で修了します(米国は通常2年で修了)。生活費も(日本と比べると高いですが)おそらく米国の都市部と比べると安いのではないかと思います。私は当初、米国のコロンビア大学SIPAへのアプライも検討していましたが、圧倒的なコストの高さを前に断念しました。なお、LSEの学費や生活費については、以下のLSEのウェブサイトをご参考ください。学費はコースによって異なりますが、私の専攻であるMSc in Political Economy of Europeは£24,456(2022/23)。生活費は寮費も含めて1ヵ月当たり£1,300 to £1,400とLSEは見積もっています(※)。

※寮の部屋のグレードにもよると思いますが、生活費はもうちょっとかかるような気がします。。。)。なお、私は寮には入らず(入れず)妻と1ルームの部屋を借りたので、生活費は倍以上しました。。。

www.lse.ac.uk

 

➁コースが細かく分かれている

社会科学に特化しているLSEは、様々なコースが細かく分かれています。言い換えると、マニアックな興味に応えてくれる受け皿があります。私は、これまでのキャリアの後半においてヨーロッパをカバーしてきました。そして、かねてから欧州のマーケットをみる上では経済と政治の両方を分析する必要性を感じていたため、Political Economy of Europeというコースは私にピッタリでした。Economicsというコースは多くの大学にあり、Political Economyというコースも他の大学でみつけることができますが、対象をPolitical Economy of Europeにまで絞ったコースは、私の知る限り、有名大学ではLSEしかありません。コースが自分の興味とドンピシャであったため、志望動機書はかなり書きやすかったです。なお、LSEのマスターコースの一覧は以下の通りです。

www.lse.ac.uk

学部時代の学問的な専門性が乏しくとも、社会人としてのマニアックな経験や興味をぶつける場がLSEにはあるのではないか、と感じています。

 

③スーパーインターナショナルであること

LSEは約7割が英国外からの留学生だそうです。この割合は他の英国における有名大学と比べてもかなり高いです。国籍もかなりバラエティーに富んでいました。学部やコースによって違いはあるとは思いますが、私のコースはPolitical Economy of Europeだけに欧州出身者が多かったです(割合としてはフランス人が最も多いと聞きました)。ブリティッシュはむしろ少数派で、ゼミのクラスで英国人がゼロということもしばしばありました。アジア系としては、中国系が最も多く(個人的な印象としては約2割かそれ以下)、日本人は(私の知る限り)私一人でした。教授やティーチングアシスタントの国籍も様々です。留学を通じて得たインターナショナルな経験は、金融機関(特にリサーチ分野)でキャリアを築く上で財産になると信じています。

 

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自己紹介&このブログについて

こんにちは、ロンドン在住、江戸っ子UKです。

 

LSEのマスターコースに留学のため渡英して早1年超。ブログをやろうやろうと思って、開設したまま放置して1年以上も経過してしまいました。。。すでに最終論文を提出して卒業待ちの状況ですが、留学準備も含めて、LSE(London School of Economics and Political Science)での経験をメインに情報発信をしていきたいと思います。私の経歴上、特に社会人(かつ私費)で留学を検討されている方にお役に立てるのではないかと考えています

 

簡単に自己紹介をしますと、東京下町生まれ→東大卒→金融機関で10年超リサーチ職で勤務→LSEのマスターコースに私費留学、といった感じです。

 

このブログの内容は、今のところ、主に以下の3つのテーマを考えています。

LSE学情報(留学希望者向け[特に社会人])

留学準備も含めたLSEでの経験を発信していきたいと思います。一言で言えば、LSEでの経験はサイコーでした。強調しておきたいのは、想像していたよりも留学のハードルは高くなかったということです。例えば、留学準備の話で言えば、特に社会人の方々は、GPA(卒業済みの大学の成績)で悩まれている方も多い方と思います。ただ、(恥ずかしながら)私の学部時代のGPAは3.1です。これはLSE修士の入学最低基準を下回っています。それでも留学できました。ですので、私はあきらめるな!と言いたい!

 

➁英国暮らしのティップス(留学希望者向け)

強烈なインフレと円安という逆風の中でもなんとか生きてこれました。これはひとえに一緒に渡英してくれた妻のおかげですが、その中でも他の方々でも活用できそうなティップスを紹介していきたいと思います。

 

③経済&マーケットコメント(マーケット関係者向け)

金融機関で10年超のリサーチ職やLSEでの経験を基に、(特に欧州の)金融政策や経済指標、政治イベント等へのコメントをしていく予定です。私のキャリア上、マクロ経済や国債市場への示唆が中心になろうかと思います。極力、英語と日本語の両方で発信できたらと考えています。

 

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